9月も中旬。
日の入りもどんどん早くなり、
月も綺麗で、
朝夕も涼しく、、。
いやいやいやいや。
全然。
むしろ、夏よりもっと夏。
でも、やっぱり秋の空気感を楽しみたい。
今日は、秋の趣向の月釜。
秋といえば、菊。
年を重ねると、年々菊の香りや姿が、
好きになる。
”日の洩るる 草に解け行く 露の音”。
しっとりとした素敵な句。
昨夜も、虫の音は確かに聞こえたけれど、
何せ、
暑すぎたー。
秋の虫も、びっくりですね。
まだ、
秋の気配、
ほぼ無し。
でも、今日はいろいろお楽しみが。
まず、床のお軸をみなさんの到着前に、
チラ見。
まず、
優しい、お軸。
朝の光と見ると、
より、ほんわかと、
和む。
横に飾られたお花は、
秋海棠、るり柳、水引そう、桜たで、高砂芙蓉。
すす竹手つき籠に。
残暑厳しき中、
よく咲いてくれました。
さて、お軸に戻り、
近寄って、
見てみると、
作者は、森徹山。
江戸後期の画家で、
猿書きの名手として知られた、
森狙仙の兄の子で、のちの養子となりました。
森狙仙といえば、
ふわっふわっとした毛並みの猿の絵を思い浮かべるけれど、
徹山は、円山応挙に画を学び、
応挙十哲の一人だとか。
なるほど。
この、どこか懐かしい、
優しい画風に、
厳しい残暑をしばし忘れる感じ。
一つひとつのシーンが、
養蚕業の作業の様子を、
丁寧に描かれている。
着物1着分の絹織物のための蚕を育てるのには、
約98キログラムの桑が必要だとか。
お軸のタイトルは、
”野婦養蚕乃図”とあります。
Mさまの説明によると、
きっと、この絵の中の婦人たちは、
絹の着物を着ることはないだろうけど、
どこか楽しそうな雰囲気。
日本のあちこちで、ずっと行われてきた
ものづくりの基本を見たような。
映りが暗くて、
読みにくいけれど、
立派な箱に入ってました。
今日のしつらえは。
ひょうたんが可愛い棚。
淡々斎好みの、瓢棚。
後ほど、
ちょっとした種明かしあり。
さて、始まりました。
主菓子が運ばれてきました。
綺麗な色と形は、
鶴屋吉信 御製の”御園菊”。
なんて、
素敵。
見た目でやられちゃいますね。
最初の茶碗は、
うさぎの柄。
月といえば、
日本では、やっぱり”うさぎさん”。
私のところにも、
やってきた〜。
可愛いー。
食べると、
もちろん、
美味しいー。
切り口もスパッと綺麗でした〜。
Mさまのお軸の説明も聞きながら、
贅沢な時間。
9月にちなんだ茶碗で、
みなさん薄茶を楽しみます。
ガラスの茶碗も、
今日の空気感には、ぴったり。
イギリスの茶碗も登場。
バーレイ社のエイジアンフェザント。
優しい色合いが、
日本人にも大人気。
エリザベス女王は、最後の最後まで、
しっかり公務をこなし、
その生き様には、敬服しかない。
硬いイメージだけではなく、
例えば、
007のロンドンオリンピックの演技や、
最近では、
パディントンとのマーマレードサンドイッチのやり取り。
思い出すと、
笑顔に。
本当に素晴らしい方でした。
まさに、
秋がいっぱい。
うさぎ、柿、きのこ、菊、
こちらは、
”羽根さぬき本舗”の和三盆おつきみ。
和三盆の上品な味が、しみます。
そして、右側のきんつばのようなお菓子は、
岡山の”みづゑ”さんの”せせらぎ”。
こちらも、優しい甘さが魅力。
三日月。
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