昨日の激しい雨のおかげで、木々がより鮮やかな緑の今日、
京都の姉宅で、五月の月釜を楽しみました。
みなさまが揃う頃には、雨も上がり
青空も覗きました。
つくばいの手前に、
白い可憐な二輪草が。
そして、今日のお軸は
なかなかのスペシャル。
いつもご一緒いただくDさまが、ご実家の整理で持ち帰った
竹内栖鳳の”藻狩舟(もがりぶね)”。
爽やかでやわらかな色使いと筆使いが、
絶妙。
みなさまが来られる前に、
目の前でまじまじと見入りました。
この日に合わせたかのように咲いた、一重の芍薬が
上品な香りを放ちます。
香合は、”独楽(こま)”。
微妙な色合いが、とっても素敵。
今日のしつらえは、五月なので”初風炉”。
ちょっと小ぶりな棚は、桑の木でできた”桑小卓”。
水指は、”安南写細水指”。
安南は、ベトナムですね。
シュッと細い姿が、華奢な棚にぴったり。
先月のしつらえ。
桜が咲いた頃が、ずいぶん前に感じるのは
花の咲き頃が、どんどん先走る傾向の今年のせいかなあ。
今日のテーマは、”八十八夜”。
思い出すのは、”茶つみ♫”。
さてさて、皆様席入れされて、
主菓子が回ってきました。
今日の主菓子は、”唐衣”。
なぜ、からごろも??
初めて知ったのですが、とても素敵なストーリーが。
”唐衣 着つつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ”
それぞれの句頭に、”か・き・つ・ば・た”の五文字を織り込んだ
在原業平の和歌。
都に残してきた妻を偲び、カキツバタが咲く三河国あたりで詠んだのだとか。
そんなロマンチックな話をちょっと感じながら、
美味しくいただきました。
いろいろな趣向のお茶碗をそれぞれ楽しみ、
藤平伸さんの、少し大ぶりだけど、
どこか繊細な味わいのお茶碗も、
手にとって楽しみました。
いろいろな質問も飛び交い、
和やかな時間が流れます。
こちらは、蛍。
ほっこりのカバちゃんも。
棗は、”珠光棗”。
わび茶の祖と言われる、村田珠光が好んだものとか。
茶杓は、銘は”一聲(いっせい)。
大徳寺 高桐院 松長剛山 造。
拝見のお道具が、お詰めから正客に返され、
総礼して、お開き。
ご一緒した皆様の何気ないおしゃべりも
楽しい時間。
開きかけた芍薬は、最後には満開に。
ご一緒いただいた皆様、
今日もありがとうございました。
まだまだ知らないことがたくさんの茶道の世界。
来月は、どんな出会いがあるかな。
今から楽しみです。