2022年4月14日木曜日

シルクロードを感じる、今月の月釜。

 今月は名残の炉、透木釜での月釜です。

気温が上がり始め、あえて火を見せないしつらえですが、

名残も何も、

蒸し暑い。

冷房を入れての会となりました。

 さて、今月は

中国から中央アジアへ。

少し土けむりや砂漠の香りも感じる。

そんな仕掛けがある月釜です。

 まず、皆さんをお迎えするのはこちら。




ブレーメンの音楽隊を彷彿させる

ほっこりの動物さんたちに守られて、








何やら小さな建物のミニチュアが上に。

”北通砂漠”とあります。

実は、北、南、東、西と

それぞれ書いてあり、

西安の安定門をイメージして、

作られたとか。

ここが、シルクロードへの出発点。

何だか、壮大ですねー。





ドドーーんと大きいこちらは。

いつもご一緒いただくYさまのお父様、

木彫(もくちょう)作家”小門光男”氏作の”長安”。

大のお気に入りで、ずっとご自身の寝室に飾られていたとか。

生前は、年に二度の海外旅行、

特に中国、中央アジアがお気に入りで、

いろんな品々を持ち帰られました。



こちらも、その一つ。

中国の拓本(石などに刻まれた文様を、

直接紙を当てて墨を叩いて写しとったもの)。

鯉に竜。

中国の黄河には、”竜門”と呼ばれる急流があり、

ここを登りきった鯉は、

竜となるという言い伝えがあり、

突破すれば出世につながる、難しい関門のことを、

登竜門というとか。

今の日中関係は、なかなか微妙ですが、

やはり昔から、中国からの文化的な影響は

計り知れないなあと思います。




そして、お軸は、

同じく”拓本”を表装してお軸にしたもので、

モデルは、”羅漢”様。

釈迦の高弟の16人は、一切の煩悩を絶って

修行の最高位に立った人々。

左手にバッグのようなものを持ち、

洒落た靴のようなものを履いてらっしゃいます。

後光が差しているような。









そこに合わせたお花は、

名残の椿の”妙蓮寺椿”、虫狩、山吹。

白くて形がすっきりした花入れは、

李朝白磁の六角瓶。

中国と韓国のコラボですね。




待合の短冊は、

”軽燕受風針”杜甫。

燕の到来で、季節も進みますね。





利休梅は、まさに満開。

花びらがひらひらと舞ってます。





双葉葵が群生。




こちらにも。





みなさんがお越しの前に、

富山のNさまが稽古に来られてます。

稽古の様子を拝見。










こちらが、透木釜。

いつぞやは羽根つき餃子と形容して、

ごめんなさい。

気温が上がるこの時期に、

あえて火を見せない

亭主の心配りのしつらえでした。




一つ一つの動作に、理由があり、

スムーズに点前ができるように

考え尽くされてます。










見ていて、背筋が伸びる

素敵な所作でした。

茶道、すごいわー。

さて、みなさん席入りされました。

 






今日の主菓子は、二種。

松屋常盤さんの”味噌松風”と、

友恵堂さんの”桜かさね”。

目にも可愛いですわあ。









姉の帯は、旅つながりで

”オランダ”。

牧歌的な風景にほっこりと。









今日のお茶碗は、

ご自分で作られたものや、

お気に入りのコレクションや、

様々、この時期ならではのが

次々と登場。
















一服目は、亭主が選び、

二服目は、

みなさんお気に入りをご指名。








陶芸家のMさま。

ご自身のお茶碗を、拝見。

今日のとっても繊細で可愛い薄器も、

Mさま作。

お父様のお茶碗も、たくさん登場。

大人気でしたね。




皆様の着物や帯も、

毎月のお楽しみ。

帯締めや帯揚げも、

素敵でした。

後ろで見守ってはる利休様も、

小門光男作ですね。








羅漢様も、

場に馴染んできましたね。




こちらのブルーやグリーンの梅の

京焼きの茶碗も、

素敵でした。





こちらの帯は、ヨーロッパ。












こちらの茶碗は、中がカフェラテ色のマーブルで、

素敵でした。











次なるお菓子は、

御倉屋さんの黒砂糖のお菓子、”旅奴”。

こちらにも、”旅”が。

ちなみに、キムタクが京都での撮影の際に、

差し入れでいただいて、

インスタにあげて、

いわゆる”バズった”お菓子です。

かりんとうほど硬くなく、

ほろっと口で溶けて、

懐かしくもあり、上品でもあり。









二服目は、Nさまが点てました。















とってもクリーミーで、

美味しくいただきました。



こちらのお茶碗は、日本画を大学で専攻されて、

ガラス作家であるMさまが、

義母のお母様のお道具ということで、

持ってこられたもの。

長い間箱に眠っていて、

久しぶりに表舞台に。




楽茶碗の三代目ノンコウの”ひよこ”と呼ばれる茶碗を

思い出しました。

素敵な色合いの富士山のお茶碗。









ビーズの蓋模様と、

細い縦縞模様のきれいなこと。

Mさまの薄器、

素敵でした。








棚は、玄々斎好みの”更好棚”。

水指は、多分初使いで、

松古窯の佐久間象山造の”三島宝珠”。

色もいいですね。





Mさまも帯は、なんと

ミナペルホネンのもの。

可愛い〜。

着物の世界も、

どんどん広がりますねー。




来月は、風炉ですね。

まさに、

風薫る五月でありますように。



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