2022年7月13日水曜日

60年に一度の出会い〜七月の月釜”神事釜”

 梅雨明け後に、激しい戻り梅雨。

毎年、異常気象という言葉が乱立してます。

 さてさて、1782年の七月の天気はどうだったんだろう。

今から240年前。

240年は、60年が4回。

一体どういうこと?

今日のお軸の謎解きがそのあたりにあります。




いつも貴重なお軸を見せてくださる、

Mさまコレクション。

昨年の蕪村の”雷坊や”に続き、

今年は、

馬とおじいさんが、

飼い葉桶を抱えて、

座っている図。





馬も、おじいさんも、

困っているようです。




きちんと写せてなくて残念だけれど、

右上に、

”壬寅(みずのえとら)夏六月、、、”とあります。

この壬寅が、与謝蕪村(1716−1783)の亡くなる前年の、

1782年、天明の大飢饉が始まった年。

もしかしたら、空梅雨で、

水もなく、

食べるものも不足で、

この絵のようなことになったんだろうか、

とMさまの推理。

十二支はよく知られているけれど、

甲乙丙で始まる十干(じっかん)があり、

十二支と組み合わせると、

60通り。

ひのえうまというのが、よく聞きますね。

 何だかややこしくなってきたけれど、

とにかく今年は、”みずのえのとら”。

このお軸を見るのに、

最適の日だったなあと、

感慨深いです。

いつも貴重なお軸、ありがとうございます。

 さて、そのお軸に合わせる

今日のしつらえは。





河井寛次郎の”つるくび”の花入れに、

ちょうど祇園祭の準備が進むこの時期に、

ぴったりと咲いてくれた”祇園守むくげ”。

そして、水引草が涼やかに。





最近の激しい雨と高温で、

庭の緑は、一層濃く。









午前中は、日も差して、

一層暑く。










水指に、ハスの葉っぱ。





ハスの葉っぱの上に、

涙のような水の粒が、

美しく。






今日のお点前は、

逆勝手の葉蓋(はふた)の点前。




涼しげな着物や浴衣が揃って、

お茶会始まりました。





ガラスの菓子器で、

涼やかな主菓子が、

運ばれてきました。








鶴屋吉信ご製の”水ぼたん”。

口当たりも滑らかで、

上品な甘み。

季節ごとに

見た目も味も、

工夫された和菓子って、

本等に素晴らしいです。





なーんか、楽しそうですねー。













逆勝手のお点前、始まりました。




菓子器が、キンキンに冷やされて、

嬉しい亭主の気遣いです。


















夏限定の、平茶碗で

薄茶を楽しみます。

















お軸が見守ってますね。








茶碗は、お茶が入ると、

一層綺麗に見えますね。









姉の今日の装いと、

みほさんのお茶碗が、

いい感じでマッチ。

見た目にも、涼やか。








お干菓子は、

塩芳軒(しおよしけん)さんの”三いろ(みいろ)”。

”さざれ石”、”梅鶴”、五色の落雁”貝づくし”の三種で、

上品な甘さが、嬉しい。












可愛い、可愛い、美味しい。






そして、今日の香合は、

姉が師匠から受け継いだものだとか。

ハワイで、手作りされたもので、

ハワイの神と崇められる、

亀の形で、

丁寧に作り込まれて、

そして、

なんといっても、キュート。













つぶらな目が、

キュートです。













こちらの、ひょうたんの平茶碗。






飲んだ後の模様も、

楽し。




お茶碗の裏は?

コマ?

独楽ですね。

楽しい。



























Nさまも、逆勝手に挑戦。


























涼しげな薄器を拝見。









線文様茶器は、鍋田尚男 造。












蓋の裏が、キラキラと。
















最後は、総礼で、

お開き。




しばし、談笑。







楽しく、

集合写真。








みなさん、素敵な夏をお過ごしくださいませ。

九月に元気に会いましょう。

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