2022年2月11日金曜日

三十七年ぶりの答え合わせ〜林和靖の”山園小梅”。

今月の月釜。

節分が過ぎ、立春も過ぎ、

寒い中にも日差しが少しずつ強くなり、

いよいよ春の気配。



終盤を迎えた椿。

可愛い色のを発見。




蝋梅が満開。

梅もずいぶん膨らんできました。




きりりとした寒さの中ですが、

青空が嬉しい。



今日の床。

お軸は、”水掬月左手”。

梅の花と水に映った月。

数年前にも、2月の月釜でかけられたお軸。

作者は、劉恵伯。

姉の裏千家学園時代の同期生か何かで、

中国からの留学生で、画家。

そこまでは、以前もちょろっと聞いたけれど、

姉曰く。

先日の稽古で、師匠に聞いて、

このお軸の意味が初めて分かったと。

 このお軸は、姉の結婚祝いに頂いたもの。

お軸には、

ある中国の有名な詩人の一節が、

込められてるらしい。

その一節が、

”疎影横斜水清浅

暗香浮動月黄昏”



はて??

実は、

これは中国北宋時代の隠遁詩人、”林和靖(りんなせい)”の

代表的な七言律詩の”山園小梅”の一節だとか。

その心は、

梅の枝の影が、清く浅い池(多分西湖のことかな)の水に、

逆さに移り、月がおぼろげな黄昏時には、

梅の仄かな香りが、そこはかと漂う。

という感じでしょうか。

林和靖は、西湖のほとりで、梅と鶴を愛し、

一生独身で、詩と書画を愛したらしい。

調べてみると、江戸期の画家たちがこぞって、

このかたの詩にちなんだ絵を描いたそう。

曾我蕭白や狩野山雪も、

その中に挙がってきて、興味ふかい。

もちろん、日本の詩人たちにも、

大いに影響を与えたとか。

 今や日中関係は、なんだかだけど、

やはり、中国の文化的な影響力は、

すごいんだなあ。

ということで、ここまで書いて、

もうエネルギー切れそう。

 姉は、やっとこのお軸に込められた

ふかい意味がわかり、

そう思って眺めると、

お祝いに送ってくれた中国の同期生に、

改めて、感謝だね。



そのお軸に合わせた花と花入。

花入れは、古備前で、

銘が”鬼の腕”。

節分つながりですが、

なんとも存在感ある、名器ですね。

素晴らしい!!

花は、上品なピンクのあけぼの椿に、

新芽がたくましい、ユキヤナギ。






節分の飾りが、

すごい存在感。




待合のこの絵に、見覚えあり。

昨年一緒に龍安寺に行った際、

姉が気になって、

お寺の方に聞いて買い求めた

色紙。

家にあった扁額の字と

同じだったとか。

前住職の松倉紹英 さんの字と書画。

”1日不作1日不食”。

さて、??

働かざるもの、食うべからず。

とりあえず、針仕事してはりますね。

どこかコミカルですわ。




家から春のブーケを持ってきて、

飾りました。

 さてさて、

始まりました。



今日の点前は、

逆勝手だそう。

まず明らかに違うのは、

正客とお詰めの位置が、

逆。













主菓子は、

鶴屋吉信の”梅ひより”。

梅尽くしです。



存在感ある菓子器で、登場。


逆勝手なので、

袱紗が右腰で、

入る時は左足から、

出る時は右足から。

点前も、

いろいろ逆です(曖昧なので)。



あっさりした設え、

詳しくはわからないので、

ここからは、写真多数で。











淡い色の着物が、春らしいですね。



主菓子は、もっちりとしっかりと、

食べ応えもあり。


まだ寒い時期は、

筒茶碗が、続々と。








年を重ねて、年々梅に惹かれるわー。




















マスク、つけて外して、

またつけて。

慣れたけれど、

やっぱり無いのがいいなあ。

コロナ収束希望しますわ。

















抹茶には、昔は

薬の役目があったとか。

しっかり飲み干して、

元気にいきましょう!







存在感ある花と花入れを、

もう一度見て、



お次は、珍しいお干菓子が数種。

まずは、銘菓”晒よし飴”の

霜柱。


海苔の缶のようなものに、

びっしりと砂糖が入り、

その中にいかにも上品で割れやすい

砂糖菓子が入っています。

取り出すのが、

なかなかのワザ要りです。

 お次は、昆布ですが、

雪に見立てた砂糖がまぶしてあり、

超しゃれてる。




いいお味。



上品な干し柿。



絶妙な甘いからの辛いからのほんのり甘い、

無限ループで、

二服目も楽しみます。



霜柱は、上品なウエハースのような噛み応えに、

甘み。

軽くて、数個いけます。


















なーんか、楽しそうですねー。







筒茶碗は、少し傾けて。







お昼が近づき、

日差しも増して、

お庭の梅を見ると、

5個ほど、

梅が開花。







よーく見ると、

咲いてますよー。





最後は、拝見して、





























総礼で、

お開き。



さあ、梅の次の主役は



何かなあ?


 


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