今年は、例年にも増して寒さが厳しく、
そのおかげで、例年であれば、
もう盛りを過ぎている梅が満開。
蝋梅とのコラボも、素敵。
さて、待合には、
富山の土人形のちょっとシュールなお雛様。
短冊には、
”桃花千峯春”。
東福寺の文浄の筆の、雛図。
そして、茶室には
新しくこの方が座ってはります。
御年、五百歳。
利休様の坐像。
茶会の様子を見守ってはりますよ。
昨年秋の仁和寺での茶会の際、
茶室の待合にずらっと並んでいた、
現代アート作家のY氏の椿とともに、。
床には、京都の春のお楽しみの一つ。
保津川下りを描いた、
お軸が。
桜満開の川を、すーっと下っていく舟と、
船頭さん。
暖かさを感じるこのお軸は、
Mさまコレクション。
今尾景年(いまおけいねん)の”嵐渓図”
明治から大正にかけて活躍した、
四条派の日本画家で、
色彩豊かな花鳥図を得意としたとのこと。
しかしながら、私がこのお軸を見て、
ふと思い出したのが、
与謝蕪村。
そこで、円山四条派をもう一度調べると。
円山応挙が興した円山派と、
呉春に始まる四条派とを
まとめて表すらしいのですが、
狩野派のような家元制度もなく、
画風も緩やかで、
しかも、呉春はもともと蕪村の元で、
絵と俳諧を学び、
蕪村の亡き後、応挙に弟子入りを願うも、
友人としてやっていこうと言われて、
ともに切磋琢磨したとか。
大乗寺に襖絵を書きに行った際には、
応挙の弟子とともに、呉春も行ったそうです。
ということは、
応挙の大切にしていた
自然から学ぶ姿勢や、
蕪村の絵のどこかほっこりな画風や
いろいろ混ざって、
この方の絵に行き着いたのかなあ。
とか思うと、感慨深く。
この春らしいお軸に合わせたお花は、
象彦の真塗りの手付きの花器に、
花芽が可愛らしい利休梅に、貝母百合、
そして高麗姫という名の椿。
さて、席入りして、
今月のしつらえを拝見。
三月は、何と言っても
ゆらゆら揺れる、揺らぎが魅力の
釣釜。
玄々斎が、料理を入れて運ぶ”おかもち”から、
ヒントを得て考案した、
杉棚。
ポータブルな感じがして、
気分も軽くなります。
花見だんご。
しかも、普段和菓子屋さんで買う三色だんごとは、
材料も手間も、全く違う
今や作る菓子屋さんがなかなかなくて、
姉の難題に答えてくれたのが、
ご一緒してくださるKさま。
詳しくはわからないのですが、
とってもとっても、手が込んでいるようで、
(追記)
なぜか名前が出てこなかった、独特の食感は、
”こなし”でした。
白餡を主原料に、いろんな粉類を混ぜて、
蒸したりこなしたり、
大変手間のかかる生地だとの事。
とにかく、食べてみました。
あー、深い味。
そして、甘みも上品。
贅沢なお味でした。
そして、
もちろん、
手に団子を持って、
パクパクは
いけません。
懐紙に置いて、
楊枝でさして、
上品にいただきます。
これが、なかなか
むずかしく、
懐紙からコロリと落ちそうになりつつ、
美味しくいただきました。
お団子を食べると、
口がめちゃくちゃ薄茶を欲します。
春らしい茶碗で、
どんどんと、
一服楽しみます。
利休様も、後ろから
見守ってはります。
なーんの話題だったか、
笑顔がいっぱいに。
花見だんごが入っていた箱に、
銘を発見。
”春霞”。
まさに、今の空気感ですね。
私の一服目は、
ご一緒いただくMさまの可愛い苺ちゃんの茶碗。
美味しくいただいて、
飲んだ後の、茶碗の中が
やたら気になり、
楽しい。
茶碗の、中と外に、
桜の模様。
地色が、なんとも素敵な
永楽和全のもので、銘は”吉野山”。
山間の桜は、
きっと今年も見事でしょうね。
こちらのお干菓子は、
末富さんので、”行雲流水”。
お皿の青もみじの下は、
びっしりと桜の花びら。
黒豆のお干菓子もいただき、
歓談して、
釜がゆらゆら。
みなさんに伝授。
Nさまが。
模様発見。
これはお水取の際に使われた、
竹から作られ、
偶然できた火の後の模様を、
うまく使ったようです。
おくのが、なかなか大変そう。
柄杓が棚にかけられて、
裏地にも、
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