先日も、そろそろ衣替え?と思ったけど、
結局まだ夏服ほぼ全員現役。
さて、先日は前を素通りした”プーシキン美術館展”
行ってきました。
ヨーロッパに居た頃、数知れず美術館も行き、
どうかなあ?と思って行ったのですが、
結果は、すごーく良かったです。
恥ずかしながら、ロシアの美術館といえば、
エルミタージュしか知らなかった私。
プーシキンは昨年100周年を迎えた、
モスクワ大学の教授が美術を学ぶ学生たちの研鑽のために
設立された美術館だとか。
というと、五月にロンドンに行った際訪れた
コートードール美術館がロンドン大学に所属するのに、
ちょっと似た感じでしょうか。
あの時に、印象派はもうこれ以上ない、、というくらい見たのですが、
今回の展示はそれとはまた違った良さが満載。
フランス美術の300年の歴史を、順を追って
しかも、エカテリーナ二世を始め、蒐集家のエピソードを交え、
実にわかりやすく解説。
66点に凝縮されるので、集中しやすく、
しかも、そのレベルは秀逸です。
おススメは、やはり音声ガイド。
500円別途かかりますが、今回は美術館好きでも知られる
俳優の水谷 豊さんの音声が案内。
いいテンポで回れます。
入り口の絵画たちにも、そそられまーす。
日本での開催は当初予定したよりも、震災の影響で
随分遅れたようです。
愛知、横浜、に次いで、神戸は三カ所め。
平日なので、並ばず入れました。
もちろん、中は記念撮影ポイント以外はカメラNG。
ですので、思わずカタログを購入しました。
表紙は、ルノワールの”ジャンヌ・サマリーの肖像画”。
背景の柔らかいピンクが、いかにもフランスらしい。
最初は、17−18世紀。
古典主義から始まります。
古典作品を模範とし、画家の関心は、もっぱら人物の表現に重きがおかれ、
風景画は、一段低く見られていたようです。
そんな中、これはお気に入りの一枚。
サンテールの”蝋燭の前の少女”。
なんともいえず、美しい。
フェルメールの絵画を思い出しました。
そして、時代はロココへ。
このルモワーヌの”素描の寓意”。
タイトルを読んでも、今一歩理解できないのですが、
この童子たちの目の超怖い事、、。
このブーシュの”ユピテルとカリスト”、いかにもロココ。
上流階級のサロン文化の象徴っていう感じ??
さて、時代は19世紀前半。
フランス革命を経て、産業革命により、
市民階級の台頭。
自分たちの生活に根ざしたテーマを描く、自然主義が現れる中、
真逆の新古典主義やロマン主義も台頭。
こちらは、ドミニカ・アングルの”聖杯の前の聖母”。
新古典主義の旗手として、地位を確立。
でも、このマリアさま、なんだか私には
女優のようなしたたかさが妙に人間くさくて、
お気に入りです。
こちらは、ロマン主義の旗手であるドラクロアの”難破して”。
が、私にはロマン主義って??、今一歩理解できず。
農民画を数多く手がけた、ミレーの”薪を集める女たち”。
なぜか、彼は労働する農民に惹かれたもよう。
さて、時代は19世紀後半。
いよいよ、よく聞く作家たちが目白押し。
印象派の代表のひとり、クロード・モネの”陽だまりのライラック”。
いいなあ。
ライラックも大好きだし、やはりモネのタッチは素敵。
この時代、神話や宗教の主題から、自然や日常のモテイーフへ。
アトリエ製作から、チューブ入り絵の具の普及により、
屋外の製作が可能に。
なるほど。
ルノワールの”セーヌの水浴”。
セーヌ川で、泳ぎを楽しんだんですね^^
ドガの作品は、半分以上が踊り子。
この作品は、左にある螺旋階段の存在が、
私にはとっても新鮮。
こちらは、生涯キャフェやホールにいりびたり、
踊り子や歌手たちをモチーフに数多くの作品を書いた
ロートレックの作品。
三年前、彼の故郷のアルビの街を訪ねましたが、
キリスト教の異端の街として、大変な迫害をうけ、
その象徴として、とてもてても高い塔のある教会が
まちの真ん中にどーんとありました。
なんとも物悲しい街の様子は、ロートレック自身の生涯と
重なるような思いがしたことを、ふと思い出しました。
ポール・セザンヌといえば、”水浴”。
同じくセザンヌで、”パイプをくわえた男”。
こちらの独特のタッチは、ゴッホ。
神経症の治療のため、入院したアルルの病院でお世話になった
若いインターンの医師レーの肖像。
お礼にあげた一枚だったようですが、もらった本人は
全く気に入らず、安くで売り渡したとか。
なんとも、もったいない、、。
タヒチに渡り、製作をしたゴーギャン。
そして、時代は20世紀。
マテイスといえば、やはり静物画。
こちらは、キュビスム時代に入ったピカソの”扇子を持つ女”
ピカソ作品はこれ以外にも、二点。
マリーローランサンに
マルク・シャガールまで。
超盛りだくさんで、大満足。
次はターナーだとか。
出口を出ると、旧居留地の素敵エリアへ。
今月は、まだまだ美術館訪問の予定が目白押し。
いよいよ、芸術の秋ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿