昨晩は、ひとりオペラ。
いつものごとく、知識がないので、
見たいような、正直ちょっと憂鬱なような。
特に、昨日の演目は、6時始まり、
10時20分終わり。
意識が持つかどうか、心配。
でも、今年はヴェルディ生誕200年目。
節目の年のため、世界のあちこちで、ヴェルディ。
そういうミーハーなのには、やはり参加しておきたい。
っと、がんばって行ってきました。
時間をつぶすには、コベントガーデンは不向き。
観光客が溢れ、落ち着かない。
特に昨日は、サッカーのユーロファイナルで、
ドルトムントvsバイエルン。
街には、ドイツ人観光客があふれておりました。
なので、随分早めにオペラハウスにはいり、
下調べ。
バーコーナーからレストランを見下ろすと、この眺め。
ちょっと映画みたいな風景。
プログラムは7ポンドで売っているのですが、
いつもは、タダで置いてあるこのキャストシートで
十分。
どなたがどうなのか、名前が覚えられない、、。
そこから始まり、スマホで下調べ。
頭に入れつつ、舞台に望みました。
いつもの天井桟敷席ですが、昨日は隣が、
妙にドレスアップし悪目立ちした中高年カップル。
ずっと、やたらベタベタ。
もうー、気持ち悪いこと、この上なし。
さて、原作は、フリードリヒ・シラーの戯曲 ” ドン・カルロス ”
舞台は、1560年頃のスペイン マドリード
第一幕
ドン・カルロはスペインの王子。
フランスの王女エリザベッタと婚約が決まっており、
フォーテンブローの森に密かに会いに行って、
二人は恋に落ちる、、という始まり。
そのままいけば、ドラマにならず。
突然、エリザベッタはカルロの父、スペイン王のフィリッポ2世と結婚
と決まり(政略のためとは言え、そんなアホな)、
そこからこのストーリーは悲劇へ。
その落ち込んだカルロを励ますのが、
キーパーソンの親友ロドリーゴ。
当時スペインは、新教徒プロテスタントの多いフランドル地方に
弾圧を加えていたため、人々は貧困に苦しんでおり
ロドリーゴは、禁断の愛を忘れ、フランドルの救済に力を注ぐように
カルロに助言します。
このロドリーゴ役のMARIUSZ KWIECIENさん。
終始かっこいい役どころだし、見た目もよし、歌もよし。
大人気でした。
親友愛としては、ちょっと深すぎ?という感じもしましたが。
第二幕
そして、スパイス的な役どころが、王妃の女官であるエボリ公女。
カルロの事が好きで、彼が王妃をまだ慕っていることに嫉妬。
エボリ役のBEATRICE URLA-MONZONさん。
このちょっと意地悪な役どころに、ぴったりな雰囲気。
さて、大聖堂前では、異端者が刑に処されるところ。
民衆が国王を讃えて騒いでいるところ、
そこに、カルロがフランドルからの使節と共に現れ、
父である王にフランドルの救済を訴えます。
聞く耳を持たない王に、カルロが剣を抜き、
牢屋に入れられます。
第三幕
ここが素晴らしい。
国王フィリッポ二世の嘆きの歌から始まります。
王妃から愛されず、息子ともうまくいかない、、
王ならではの、孤独を歌うシーン。
ジーンとしました。
ちょっとレミゼのジャンバルジャンの亡くなる前の歌のシーンに、
重なりました。
会場は、”ぶらぼー、ぶらぼー、、、ぶらぼーー”
指揮者が演奏を始めるのに、時間をとるくらい。
指揮者といえば、オペラ好きの間では、超人気で、有名なこの方。
SIR ANTONIO PAPPANOさん。
音楽総監督で、今回は指揮も。
初めてこの方の指揮を見たとき、
なんて楽しそうに棒を振る方だろう、、と感心しました。
今日も彼にとっても大好きな演目らしく、
素晴らしかったです。
さて、その王の嘆きの歌のシーンのあと、
王妃が宝石箱がない、、と部屋に入ってきます。
ここにあるよ、、と王。
その中には、息子であるカルロの写真が。
王の王妃に対する疑念は、マックス。
あまりの迫力に王妃は、失神。
実は、これはエボリ公女の策略。
あまりの事に、エボリは王妃に真実を話します。
そして、牢屋にいるカルロを救うことで、罪を償うことに。
カルロの親友ロドリーゴはカルロを救うべく、罪をかぶり暗殺され、
最後の力で、歌を熱唱。
第四幕
月夜の修道院にて、再会した王妃とカルロ。
永遠の別れと天国での再会を誓ったところへ、
王が現れ、カルロをとらえようとします。
が、カルロは先王カルロ5世の亡霊と共に、墓に消える。
という感じのストーリー。
あちこちで民衆や兵士がたくさん出て来て、
合唱をするのですが、その声が素晴らしい。
又、舞台の奥からもオーケストラの演奏が聞こえ、
天の声は、本当に天井から綺麗なソプラノ。
壮大なスケールの素晴らしいオペラでした。
無事4時間20分、見終えました。
ヴェルデイの音楽、素晴らしかったです。
現在のドラマの劇中に流れる音楽、、
その原点を聞いた感じがしました。
すごい拍手でした。
王フィリッポ二世役の、FERRUCCIO FURLANETTOさん。
見た目も声も、王役にぴったり。
エリザベット王妃役の、LIANNA HAROUTOUNIANさん。
前半では、急遽代役でも出たようですが、その効果もあってか、
堂々と歌い、素敵でした。
カルロ役のROBERTO ARONICAさん。
終始嘆くシーンが多い、ちょっと情けない役でもありますが、
それもうまく演じておりました。
歌も素晴らしい。
指揮者パッパーノさん登場。
大人気。
今までで、一番長かった”ぶらぼーーーー”。
オペラは、やはり奥が深いなあ。
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