2011年10月30日日曜日

プラシド・ドミンゴ セレブレーション@ROH

 今日の夜中から冬時間、でもなんだか暖かな冬の始まりです。

お昼間はコートで散歩すると、汗ばむほど。

 さて、今週は水曜日&木曜日と連続オペラデーでした。

水曜日の話題は後日にまわし、まず木曜日のオペラから。

PLACIDO DOMINGO CELEBRATION

これが、演目のタイトル。

オペラに疎い私でも、耳にしたことがある、”三大テノール”。

その中の一人ドミンゴさんの、ロイヤルオペラハウスでのデビューが

1971年の12月。

”トスカ”のカバラドッシー役でした。

 それから40年、実に230あまりの公演をこなしてこられました。

今回は、二日間限定の超スペシャルイベント。

チケットは販売後即完売となったそう。

普段は安いチケットを買うのですが、我が家としては、破格の53ポンドのチケット。




それでもけっして舞台に近いわけではないのですが、全体が見渡せて、

歌を聴くには、絶好かも。

今回は、三部構成ですが、いずれも、最終章のクライマックス部分だけをピック。

ヴェルデイーのオペラばかりです。


 第一部は、”オテーロ” 、 シェイクスピアの四大悲劇のうちの一つ”オセロ”を

オペラ化したもの。

第四幕最終章、部下の策略にひっかり、妻の不倫を疑うオテーロが、

妻の殺害に至り、その後それが間違いだとわかり、自殺するという結末。

 舞台は、妻デスデモーナが、寝室で、今晩夫に殺されるかもしれない、、と

メイドのエミリアに告げ、もしそうなったら、結婚衣裳のガウンを掛けて欲しい

と頼みます。

ドミンゴが出るまで、妻が歌うシーンがかなり続くのですが、

もうドミンゴの登場を待つのも忘れ、ひたすら彼女の歌声に魅了されました。

Marina Poplavskaya さん。 なんて透き通った綺麗な歌声。

今まで、ちょっと大げさな、特有の歌い方が多いオペラに、

今一歩感情移入できなかったのですが、

感情を抑えながら、悲しみを表すその歌に、

聞き入ってしまいました。

ドミンゴさんが登場し、胸が高まります。

やはり、オーラが、、。

そして、歌もさることながら、演技もすばらしい。

 今まで色々なオペラを鑑賞しましたが、やはりレベルが違うと感じました。

もちろん、歌でいえば、”さび”の部分だけ、、なので、物語を楽しむには、

若干不向きですが、超一流でした。







まず、第一幕が終わり、休憩へ。

 お手洗いに行き、結構笑える光景に遭遇。

順番を待っていると、その列を抜いて、中に入る一人のおば様。

”トイレに行くわけじゃないのよ、私。 仕事が長引いて、こんな恰好で来ちゃったのよ。

はずかしい、、。 着替えるだけだからね。 ”

といいながら、スーパーのビニールBAGに入ったスカートやストッキングを

次々に出して、堂々とお着替え。

この日は、いつもよりも正装した方が多く。

皆様、一同”苦笑”。

でも、おば様はめげることなく、”もう本当にこんな恰好で入っちゃってね、、はずかしい、、”

を連発。

その行為もかなり恥ずかしい、、だろうに、と思いながら、結構笑えました。

スーパーの袋はないだろう、、、と思いながら、外に出たら、

ベンチに座って、スーパーの袋からサラダやサンドイッチを出し、

食べている団体に遭遇。

カジュアルもOKなロイヤルオペラハウスでした。

 さて、第二幕は、リゴレット。

リゴレットは、公爵に使える道化師。 笑いのためならどぎつい振る舞いも辞さず、

人々から嫌われているが、生まれながらの肉体のハンデイの故、そんな仕事しかない。

唯一の生きがいの娘ジルダが、プレーボーイの公爵に心惹かれていることを知り、

殺し屋に公爵の殺害を依頼。

が、その話を知った娘は公爵の身代わりになる。

公爵の死体の入った袋と信じ、開けると、そこには息絶え絶えの娘が、、、。

という、なんともせつない悲劇。

リゴレット役のドミンゴさんは、テノールではなく、バリトン。

でも、年を重ねた年輪から、心をうつ歌声。

公爵役(テノール)のFRANCESCO MELIさん。

こちらも素晴らしかった。

そしてとても耳慣れた歌曲が、”LA DONNNA E MOBILE (女心の歌)”。

映画にも使われたようで、オペラは知らなくても、いつのまにか歌は

世間にあふれているようです。

この歌が流れた瞬間、”あー 知ってる、知ってる、、” って思いました。

(すいません、超素人です。)







第二幕も、終了。

 三幕は、シモン・ボッカネグロ。

元海賊でジェノバの総督となったシモン。

恋人マリアの父は、政敵フィエスコ。

シモンと娘マリアの仲を許さぬフィエスコ。

マリアは父の元、幽閉されて娘アメリアを生むも、その後病死。

娘アメリアはなぜか行方知れずに。

 やがて、部下に毒を盛られ、弱っていくシモンの元に、政敵のフィエスコが現れる。

シモンは、アメリアが自分の娘で、フィエスコの孫娘であると明かし、

やがて、二人は和解。

そこで、二人が歌う。

 結婚したアメリアとガブリエレが登場。

総督をガブリエレに託し、シモンが息絶える。

あらすじ、思いっきり端折りました。



 
劇としては、最後の場面だけなので、理解しにくかったのですが。

殊、歌に関しては、ドミンゴさんはもちろんのこと、

脇をかためる俳優がいずれも、素晴らしい。

 今だかつてないほどの、ブラボーの嵐。







舞台に次々と投げ込まれる花、花、花。

あまりの多さに、ドミンゴさんが、どんどんオーケストラに投げておりました。

鳴り止まぬ拍手、客席全員総立ち。

かってないほど盛り上がったロイヤルオペラハウスでした。

 今まで、オペラの魅力が今ひとつわからなかったけれど、

少し近しくなった気がしました。

こんな舞台が見れるのも、やはりロンドンに居るからこそ。

叉、通わなきゃね。

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