2011年9月30日金曜日

秋の観劇シーズン始まる!

 いやあ、本当に真夏以上に暑い日でした。

地下鉄に乗って帰ってきた息子さん、”めっちゃ暑かった”と言っておりました。

当然というか、ロンドンの地下鉄には冷房なし。

しばらくこの不思議な陽気は居座るもよう。

開き直って、今年はない予定だった夏を楽しむっきゃない。

 さて、忘れないうちに先日行ったオペラのお話を、、。

タイトルは、IL TRITTICO 三部作という意味らしい。

例のごとく、なんの予習もせず、しかもその日は朝5時起きで、お花の仕入れ日

だったので、お疲れモード。

しかも、かなり長いオペラ。

6時半開演で、なんと終わるのは10時半。

 まず第一作目、” IL TABARRO ”。

日本語では外套という意味。

1910年くらいの、セーヌ河畔の荷物船が舞台。

とにかく暗い舞台。

船の下から思い荷物を上げ下ろしする労働者のやるせない、せりふがずっと続く。

お酒を飲むのが唯一の息抜き、、、。

老船長の若い妻は、どうも部下の誰かと浮気をしているようで、

船長は疑心暗鬼。

最後にその部下をつきとめ、絞め殺し、、、、。

というなんだか、どろどろ暗い設定。

歌もオーケストラもよかったのですが、舞台と筋書きにのれず、写真もとらず、

一部目終了。

プッチーニの三部作の最初は、”興味と驚き”を与える役目らしい。

 さて、二部目。

いきなり舞台の綺麗な色に目を奪われる。




タイトルは、SUOR ANGELICA 日本語では、”修道女 アンジェリカ”。




この方が、アンジェリカ役の ERMONELA JAHO さん。

修道院が舞台で、全員が女性という珍しいオペラ。

貴族の娘アンジェリカは、好きな人ができ、子供を産むのだが、

結婚をしていなかったため、息子はすぐに取り上げられ、

修道院に入れられてしまう。

アンジェリカは、薬草の知識が豊富で、蜂に刺された修道女に

ぱぱっと薬草を調合して治してしまいます。

結局最後は、失意のあまり、その知識を利用して、毒をつくり、

自殺をはかるのですが、、。

 舞台は修道院という禁欲的が場所ながら、なんだか陽気な修道女達が、

いろんな夢を語り、ちょっと明るい雰囲気。

中は、子供の病院になっており、子役さんたち、

ずっとベッドの上で一時間がんばりました。

 さて、劇の中程、アンジェリカの叔母が20年前に亡くなった両親の遺産を放棄するように

七年ぶりに会いに来ます。





この方がその叔母の公爵夫人 ANNA LARSSON。

一人だけ黒い洋服で、存在も際立っておりました。

一人息子が二年前に病気でなくなったと知らされ、失意の中、

声をふりしぼってうたうアンジェリカの歌、感動でした。

 そして、シスターのコスチューム、小道具までも、時代を反映して

いい感じで、うっとり。




壁紙にもこんな模様。

天窓が写りこみ、いい演出。

最後は亡くなるのですが、舞台の演出がすばらしく、ただただ綺麗。

第二幕は”感動”を与えるというプッチーニの思惑通りに進みます。

 さて、第三幕は、” GIANNI SCHICCHI ”  ジャンニ スキッキ。





叉がらっとかわって、舞台の雰囲気は、”奥様は魔女”の時代のムード。

もちろん、イタリアが舞台ですが。

富豪の死去のあと、親戚が遺産の分け前で、どたばた。

吉本新喜劇顔負けのどたばた喜劇。

なんと、第一幕で船長のMICHELE役のLUCIO GALLOさんが、

今度は、GIANNI SCHICCHI 役で、思いっきり笑わせます。




席が上過ぎて、顔がうつっていませんが、この方。

すばらしかった。

右の方が娘のLAURETTA役で、EKATERINA SIUINA さん。

彼女が歌う ”私のお父さん” のアリアは、よく聞く曲で、

とてもすばらしかったです。

 そして、私のイチオシは、




この黒いスーツのLAURETTAの恋人のRINUCCHIO役の、FRANCESCO DEMUROさん。

声が甘くて、なんともいえない爽やかな色気。

最近来日されて、コンサートもあっとようです。

これからも、要注目。

 さて、終わってみれば、熟睡することもなく、すっかり楽しみました。

今回の席は、天井に近い9ポンドの席ですが、堪能しました。

プッチーニの三部目の狙いは、”笑い”。

なるほど。 すっかりやられました。

 そして、コンダクターは、ANTONIO PAPPANOさん。






とっても情熱的な指揮で、音楽も申し分なし。

ブラボーの嵐でした。

 満足の三部作でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿